2023
05.09

自意識 self-consciousness 研究


自意識とは、自分がどう受け取られているかということをやたらに気にする態度のことで自分に注意が向かっている状態である。

鈴木智之(2023)『ワークプレイス・パーソナリティ論』では、職場でパーソナリティ理論がいかに使えるかを研究した本の理論編に「自意識研究」のレビューが書かれていた。(以下、同書P85-)参照)

 

心理学で自意識は、①私的自意識と②公的自意識とで構成される。

①私的自意識・・・個人が内的に持つ感覚、感情、思考への意識。

これは「内省(リフレクション)」と「反芻(ルミネーション)」の2因子がらなる。「内省」は自己の好奇心や興味によって動機づけられ自己理解や精神的健康の促進に寄与するが、「反芻」は長い間同じことをつくづくと考え頭の中からそれが離れない状態でネガティブと結びついた自己注目の繰り返しで精神的な不健康を招きかねない。これは職場で1on1による経験学習を支援しようとしたときに、反芻モードでは相手は負のループに入ってしまうことを示唆している。

②公的自意識・・・個人が持つ他者への意識。

これは他者からの「賞賛獲得」、否定的な評価を他者から下されることへの恐怖と排除されることを回避したい動機の2つを含む「他者からの批判回避」が知られている。

さらに、他者からポジティブな評価を得ることで既にその集団内で他者から高い評価を得ている他者との衝突や、それに対する報復を心配するという「他者からの賞賛への恐怖」の因子も加わる。これは少し前に評判になったいい子の行動原則を示した金間大介(2022)『先生、どうか、みんなの前でほめないで下さい』の内容を想起させる。

 

 

 

 

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