02.09
生産性の歴史
生産とは、人間が自然に働きかけて人にとって有用な財・サービスを作り出すことである。
生産性とは、生産活動における「投入」に対する「算出」の割合である。投入する資源は有効に利用すべきであるし、業績を上げれば利益を獲得できる。
近代以降の企業活動は大量生産システムを導入したり、品質の高さと生産性の両立を目指してきた。生産性向上による経済性の追求はもちろんであるが、現代社会では人間の営みとしてモチベーションを大切にしたり社会性や持続可能性についても問われるようになってきた。
さて、私たちは生産性をどのようにマネジメントしてきたのだろうか?。
1.生産性を高めるための最初のキーワードは「分業」であった。
「生産場面の分業・・技術的分業や「人が職業に就く・・社会的分業」などである。アダム・スミスが示したとおり「分業」は作業を単純化して専門化を促す。
分業のメリットとは、
・技能が向上する
・段取り時間の削減
・機械の活用 である
分業によって生産量を増大することができるのだ。ただし、分業が行き過ぎると仕事が少数の単純な作業に限定され作業者が無知になってしまったり、工程の細分化によって分業の逆機能*1が発生っせてしまう。。
2.工場の生産性
産業革命以後の工業化では賃金労働者の協業で組織する「工場制手工業」から”規模の経済を追求”する大規模工場へ変化した。大量生産、大量消費社会の到来だ。
工場では部品均一性(「互換性原理」の活用)や合理化(3S 専門化、単純化、標準化)で原価を低減し、品質の安定を目指した。
「合理化の3S」とは、
専門化 生産工程、生産システム、工場や企業を対象に特定の機能に特化する
単純化 設計、品種、構成、構造、組織、手法、職務、システムなどの複雑さを無くす
標準化 設計、計画、業務、データーベースなどを、標準に基づいて管理する
である。いわゆるフォード・システムだ。
日本でもフォード・システムが取り入れられ、さらに多品種少量生産で同期化することにチャレンジした(トヨタなど)。
例えば、
・工程を減らし、多能工を活用する
・U字レイアウトなどを工夫する。”範囲の経済”を実現する
・QCサークルで品質向上
などの工夫である。加えて、日本製造業の成功要因の一つは「作業者の自律性を活かした」であるともされている。
このように最高品質を求める職人の時代から、標準に合致した適正品質を求めた工業化時代を経て、知識労働とサービス労働の生産性上昇を目指すサービス経済時代への変遷してきたのだ。
しかし、現代ではイノベーション、デジタル化、グローバル化の影響を受けあらたな問題点や限界点も指摘されるようになっている。*2
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